健康スポーツナースはまだ知名度が低いものの、看護師のなかでも人気のある仕事の一つです。何かしら特化した分野で経験を積みたい看護師にもおすすめできます。ただし、どんな人が向いているのか知っておかないと、ミスマッチの原因になりかねません。
救急看護と健康スポーツナースの仕事はまったく異なるイメージを持たれるかもしれませんが、共通している部分があります。救急看護は「緊急を要する患者に対する迅速な処置」を行う必要があり、健康スポーツナースも場合によってはそういった判断が求められるシーンがあります。すべてではありませんが、例えばスポーツチームで働く場合は「スポーツ観戦に来たお客さんの体調不良時の対応」を行います。看護師は会場に設営された「救護室」で待機します。特に夏場は熱中症などで「救護室」に来る方も少なくありません。
病院で働く看護師の場合は問診を行いカルテを参考にして患者の対応を行いますが、「救護室」ではカルテがない状態で適切な処置を行う必要があります。そのため、健康スポーツナースは救急で運ばれてきた患者の対応を行う救急看護師と同じように、迅速な判断力などが活かせます。
健康スポーツナースは、文字通りスポーツに関する仕事が多くなります。スポーツイベントの救護室で選手やお客さんのケガ・体調不良時の処置を行うケースが多いです。ただし、患者は次から次にやってくるわけではなく、救護室での待機時間もあります。そのため、スポーツに理解がないと待機時間が苦痛になってしまうかもしれません。
する側と見る側を問わずスポーツが好きな人だと、スポーツに対してある程度の理解もあるでしょう。まったく関心がない人よりスポーツの知識もあるので、「このスポーツの場合はこのケガをしやすい」「このケガにはこの処置が適している」など予測を立てやすくなり、スムーズな処置もできるようになるはずです。
「学校や地域の運動器検診」「スポーツクラブなどでの健康指導、介護予防の指導」「スポーツイベントにおける救護」など、健康スポーツナースの仕事はさまざまなものがあります。運動器やスポーツに関する知識が求められ、処置の技術だけでなく健康相談にも応じることがある専門性の高い仕事です。
しかし、仕事の特性上でいえば急性期ほどの慌ただしさはなく、急変の可能性があったり命に関わるような重症のリスクは少ないです。場合によっては土日が休みということもあります。スポーツチームに配属されているケースではオフシーズンがあり、まとまった休暇を取りやすいこともあるようです。これらのことから、健康スポーツナースは心身ともに余裕を持って日々の業務にあたりたい人に向いているといえます。
健康スポーツナースを目指したいなら、向いている人の特徴を知ると判断しやすいかもしれません。スポーツ好きなことはもちろん、救急看護の経験者や心身に余裕がほしい人にも適しているでしょう。
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