日本は今、超高齢化社会を迎えています。今後も高齢者の数は増え続けていくと予想されているため、高齢者の健康を守り、健康寿命が延伸する社会を構築するために国を挙げて取り組んでいます。
加齢とともに身体機能は衰え、体力も低下していきます。高齢になるほど介護を必要とする割合も高まりますが、日常生活の介護を受けたり、病気で寝たきりになったりせずに健康的な生活を少しでも長く送れるように、2000年頃から健康寿命を延ばすことを目的とする「21世紀における国民健康づくり運動」がスタートしました。現在はこの取り組みの効果が表れ、健康寿命が延びて平均寿命との差も少なくなってきています。つまり、介護の必要性がない状態で過ごせる期間が平均寿命近くまで延びているということです。
この結果を受けて、「21世紀における国民健康づくり運動」では平均寿命が延びる割合よりも健康寿命が延びる割合が上回るように、高齢者に対する介護予防にさらに力を入れて取り組むようになりました。
地域住民や介護施設入所者を対象とした運動教室などの集団を対象とした取り組みをはじめ、引きこもりがちな高齢者のために運動プログラムの開発など個人を対象とした取り組みも行っています。近年はロコモティブシンドローム予防を目的とした運動器検診や運動教室での指導などにも力を入れていますが、その際、活躍の中心となっているのが健康スポーツナースです。
加齢による身体機能の衰えや体力の低下は避けることはできませんが、適度に運動することで改善することは可能です。しかし、運動の方法は多種多様にあり、個々の健康状態に合わせて行わなければなりません。健康志向の高まりもあり、最近はメディアなどでも手軽にできる運動や健康機器を数多く紹介しています。しかし、身体の動かし方が正しく伝わっていないことも多くケガをしてしまう危険性もあります。高齢者の中には内科的疾患を有している人や複数の薬を服用している人も少なくありません。このような状況で安全かつ効果的な運動を行うためには、医療とスポーツに対して深い知識を持っている健康スポーツナースのサポートが必要不可欠なのです。
ただし、厳しく指導するだけでは習慣化することはできません。もともと運動が不得意な人は厳しい指導についていけず途中で諦めてしまう可能性もあるからです。介護予防を目的に運動をはじめたのにそうなってしまっては本末転倒です。健康スポーツナースは高齢者が運動に関心を寄せ、習慣化するために身体を動かすことや人と触れ合う楽しさを伝えながら指導していかなければなりません。
健康スポーツナースを目指したいなら、向いている人の特徴を知ると判断しやすいかもしれません。スポーツ好きなことはもちろん、救急看護の経験者や心身に余裕がほしい人にも適しているでしょう。
転職を成功させたいなら自己分析を必ず行いましょう。自己分析によって目標が明確になるため、ぶれずに進むことができます。これまでの勤務先、役割や得たスキル、現状に対する不満と理想の条件を思いつくままに書き出しましょう。
認定試験を受けるためにはまず20時間の養成講座を受講しなければなりません。養成講座は宮崎大学で開催されています。認定試験に合格したら申請登録を行います。登録期間は4年で、期限が切れる前に更新する必要があります。